倒産防止共済
法人にも個人にも共通した節税プランです。
本来が節税のためのものではありませんが、これに加入することで節税にもなるというものです。
本来、倒産防止共済は、倒産に対し、連鎖倒産とならないよう掛金総額に応じて、借入ができるという制度です。
なんだ借入ができるだけかとお思いかもしれませんが、得意先の倒産ということが起こった場合、通常、銀行など金融機関はお金を貸すのを渋ります。
得意先の倒産によって、連鎖して倒産しそうな先にお金は貸しにくいからです。
その意味で、この制度は、貴重な制度です。
無論、得意先の倒産など起こらない方がいい、そのためにも、得意先の動向、資金状況には注意を払っておく必要があります(与信管理)。
倒産防止共済は、転ばぬ先の杖の役割を果たしてくれるのです。
では、これが何故、節税対策になるのでしょうか。
倒産防止共済の掛け金は、法人では全額損金です。個人事業では、必要経費です。※
掛金ですから、契約者の意思で解約することができます。
掛金納付月数が40ヶ月以上の場合、100%掛金が返ってきます。
返戻率100%といえますね。
ただ、12ヶ月未満だと0%ですから、注意が必要です。
これは、月払いを予定しているのですが、前納も可能なのです。
1年以内の前払掛金は損金、必要経費とできるので、利益が出ている決算月に12カ月分を前納することで、効果的な節税を行うことができます。
平成23年10月1日から、制度が変わり、掛金の上限も引き上げられました。
掛金は月額20万円まで掛けることができます(以前は8万円)。また、掛金の積立限度額も800万円に引き上げられました(以前は320万円)。
1年間の前払いを最高額でした場合は、240万円の損金、必要経費を立てることができます。
また、個人事業が法人成りした場合や法人の合併、分割、または事業の全部譲渡も、承継という手続きにより、解約することなしに、個人から法人に移行することができるので、使い勝手のよいものとなりました。
検討すべきものです。
※個人の場合、掛金は事業所得以外の収入(不動産所得等)の必要経費にはなりません。